研究内容

研究テーマ
  • (1) 曲率が下から押えられたリーマン多様体の研究
  • (2) Steiner treeに関する予想
  • (3) Pansuの方法の改良
  • (4) 共役点の無い空間の平坦性
研究概要
  • (1) 曲率が下から押えられたリーマン多様体の研究を主に行っている。
    曲率は、断面曲率、リッチ曲率、放射断面曲率、放射リッチ曲率である。
    また、曲率が下から押えられたリーマン多様体のGromov-Hausdorff極限空間として現れる
    特異空間の研究も行っている。
  • (2) Steiner比に関するGilbert-Pollak予想 の解決を目標としている。
    Gilbert-Pollak予想についてのDu-Hwangの論文はこちら
    Gilbert-Pollak予想をopenに戻したIvanov-Tuzhilinの声明はこちら
  • (3) Gromovの本に寄稿したPansuの論文の訂正を目指し、その方法を正曲率多様体へ応用する。
  • (4) 次の予想を解決することを目的とする:
    「共役点の無いコンパクトリーマン多様体の基本群が可解群ならば、それは平坦である。」
    この予想が載っている論文はこちら、CrokeとSchroederの論文である。
研究の特色
  • (1) 曲率の下限などで測地線の振る舞いを制御し、リーマン多様体の位相や幾何・微分構造を研究する。
    主に使うのは各種の比較定理や、曲率などがみたす2階線形常微分方程式の正値解に対するGronwall型の評価式である。
    このGronwall型の評価式はべき級数展開を基礎にしており、収束半径が小さい(ある意味最適)のと、
    積分形ではないので、他の展開公式(連分数など)による評価式を目指す。
  • (2) 2次元だけでは無く、高次元のSteiner比の問題を解決しようとしている。
    また、Steiner比の問題は内部最小木と特性領域の「離れ具合の最大値」と捉えられるので、等周問題の1つとも考えている。
  • (3) 部分集合へ(空間パラメータをもつ)測度を与え、その部分集合の外部の微分・幾何構造を研究する。
    研究のきっかけは、PansuがGromovの本に寄稿した論文であり、その計算に間違いを発見した。
    そのギャップを埋めることと、高い余次元の擬凸埋め込みを研究する。
  • (4) 共役点の無いトーラスの平坦性を証明したBurago-Ivanovの論文が研究の発端である。
    自身の研究では、葉層構造(foliation)へClairautの関係式の一般化の式を適用する予定である。
    平坦性を言うにはもちろん、曲率の正値性と負値性を消す必要があるが、
    Busemann関数やrayは正値性、Clairautの関係式の一般化の式は負値性、それぞれを消滅させる効果があると考えている。


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