猿子のページ(佐賀大学理工学部数理)

主な研究内容

埋め込みの外部領域

埋め込みによる正曲率多様体の特徴付けを目標とする。古い論文になるが、 A.Weisteinの結果 を手本に、埋め込みされた多様体の補集合、つまり、埋め込みの外部領域を調べる。 手始めにユークリッド空間への擬凸埋め込みを調べたいが、PansuがGromovの本に寄稿した擬凸集合の論文の計算間違いの修正から試みたい。 擬凸埋め込みはリプシッツ条件の範疇の概念なので、もう少し緩めた条件も考え中である。 また、村上順氏の著書にある「結び目の外部領域」も参考にする。

空間の先代数化

次の予想を解決することを目的とする: 「共役点の無いコンパクトリーマン多様体の基本群が可解群ならば、それは平坦である。」
この予想が載っているCrokeとSchroederの論文はこちら。 共役点の無いトーラスの平坦性を証明したBurago-Ivanovの論文はこちらです。 「nonpositive curvature ⇒ no conjugate points」という図式があるので、nonpositive curvatureの空間で成立する定理を共役点の無い空間へ拡張する結果が多いと思います。
興味があるのは予想の対偶的なもの、つまり、平坦でない共役点の無いコンパクトリーマン多様体であり、それらの基本群の非可解性である。 空間の各部分が膨張する際も共役点の無い空間となるが、非可解性が引き起こす物理現象を調べる。 「先代数化」とは「空間が収束や変形をする際、代数構造が先に決定し、その代数構造に従って空間が収束・変形する現象」を指す。

高次元Steiner-tree問題

Steiner比に関するGilbert-Pollak予想 の解決を目標としている。 Gilbert-Pollak予想は1992年にDu-Hwangの論文により証明されたかに思われたが、 Ivanov-Tuzhilinによりopenに戻され、まだ未解決のようである。 2次元だけでは無く、高次元のSteiner比の問題を解決しようとしている。 まだ、証明の方法が見つからない状態であり、候補としては
・ゲーム理論や離散凸解析、各種計画法などの最適化理論
・与えられた点達を「境界」とみなし、Steiner treeをその境界をもつ「極小曲面」と見る
・最小木やSteiner treeを構造物とみなし、構造力学を適用
などがありそうである。